エボニーの「黒」

さぁ、
今回、京都でお聞きしてきたことの、
第3弾! ^^
 
 
まず、
この写真をご覧ください。

 
 
これは、
今年の2月に、

僕が、購入した、
シルクの、綾織りの、マフラーです。

実物は、写真よりもさらに深い、真っ黒で、
光沢が抑えられた、上品な色あいで、

模様も、細かく織り上げられた、
とっっても美しい、マフラーです。
 
 
さて、
タグに書いてあるとおりに、

 素材は、シルク(silk)100%
 染料は、エボニー(Ebony)

です。
 
 
エボニー。
日本語では、黒檀(こくたん)。

木材としての性質は、
非常に硬く、加工が困難で、
割れやすいために、釘止めできないそう。

しかし、その分、
耐久性に非常に優れる。

その性質、および希少性から、
「銘木」の一つとされ、
おもに、仏具や高級家具などに利用されています。

 (参照サイト:こちら
 
 
その、黒檀。

染料に使う場合、
まず、使うのは、実の部分。

水に漬け、水を切り、
そして、灰汁と一緒につぶし、絞るようです。

そうしてできる染料は、
発酵した匂いが特徴的、とのこと。

(参照:うさとジャパンのブログ「 黒檀染め
 および、うさとジャパン発行の『色見本』)
 


『色見本』の、黒檀のページ

 
 
で、この、黒檀染めですが、
しっかりと染めるのに、
どうやら、とっても回数が必要らしいです。

染めていくと、

はじめは、
グレーっぽい感じに染まって行き、

そこから、さらに回数を重ねていくと、
だんだんと、「茶」になっていきます。

「エボニーの茶」のうさと服も、
ありますよね。

そこから、さらに回数を重ねると、
茶が濃くなり、

そして、さらに、染めを繰り返して、
ようやく、「黒」になっていくのだそうです。
 
 
で、冒頭の、
シルクマフラー写真ですが、

あのように、しっかりと「黒」に染めるには、
どうやら、なんと、
80回〜100回近くも、染めるのだそう!!

ちょっと、「恐ろしいほど」ですよね。

でも、そうやって染めてくださったものを、手にできるなんて、
ほんとうに、ありがたく、嬉しく、幸せですよねぇ ^^ 。
 
 
「染料としての黒檀は、発酵臭が特徴的」
とのことでしたが、

たしかに、このマフラーに、
スチームアイロンをかけると、

たしかに、
とても独特の、しっかり目の香りがします。
 
 
同じく、うさとの「黒」には、
藍染めの「黒」もあり、

そして、
こちらをスチームアイロンしたときにも、
濃く、強い、すばらしい香りがしますが

(なので、「藍染めの黒」の服のアイロンがけは、
 僕にとって、「ストレス発散」法の、一つです ^^ )、

「エボニーの黒」の香りも、
とても素晴らしい、しっかりとした香りがします。

これ、やはり、
かなりの回数染めた結果、あの濃い色になっているから、
ということのも、あるのでしょうね!
 
 
そして、これまで、
このマフラーをしていると、

ときどき、
着ている服の、マフラーの周りに、
黒い破片のようなものが、現れることがありました。

どうやら、
染料の「黒檀」が、剥がれ落ちたもの、のようです。
 
 
これも、今回お聞きしてきた話ですが、

黒檀染めは、
黒檀の粉が乗ったかのように、
染まっているところがあるみたいです。

それが、
しっかりとした「黒」になるまで、
極めて多い回数、染めると、

そんなふうに、
繊維の中だけでなく、
表面に付着するようにして、
染まる部分もあるのでしょうね。

それが、
剥がれ落ちるように、
服についていたのでしょうね。
 
 
僕のマフラーに関しては、
いまのところ、「色落ち」のようなことは無いのですが、

ですが、
ということなので、

エボニーに関しては、
色落ちに、ご注意・ご留意なさったほうが、いいかも。
 
 
いずれにせよ、
エボニー・黒檀染め独特の、雰囲気、美しさは、

そのような、
染料の特徴、
そして、染めの回数・手間から、
来ているようです。
 
 
どうぞ、みなさんにも、
素敵なエボニーのうさと服との出会いがありますように。


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